カジノ世界最大サンズ:日本事務所開設へ、1兆円投資も視野

2014年02月26日 16:58
 2月24日(ブルームバーグ):世界最大のカジノ運営企業ラスベガス・サンズ は日本進出のために事務所を開設し、人材を採用する。100億ドル(約1兆円)を投資する用意があることも明らかにした。シェルドン・アデルソン最高経営責任者(CEO)が都内の会見で述べた。同氏は日本国内で東京と大阪でのカジノリゾート建設に
来日中の関心があると述べ、100億ドルの投資も辞さないとした。日本での提携先は「リスクテーカーがいい」として、カジノに関心があるかは知らないと断ったうえで、ソフトバンクの孫正義社長を一例として語った。
カジノは現在日本国内で違法だが、東京が2020年夏季五輪の開催都市に決定したことを受け、急速に法制化の期待が高まっている。自民党などの国会議員有志は昨年12月、カジノ解禁を含めた特定複合観光施設(IR)を整備するための法案を国会に提出。自民党の細田博之幹事長代行は12月の時点で、春先から法案が審議入りし、現在の通常国会で法案通過を目指すと述べている。細田氏は超党派の「国際観光産業振興議員連盟」(IR議連、通称:カジノ議連)の会長。
アデルソンCEOは日本国内で東京や大阪への関心を示した一方、沖縄など小規模な都市への進出は想定していないと述べた。クレディ・スイス証券の市川眞一チーフ・マーケット・ストラテジストは今月21日付のリポートで、カジノの国内候補地として東京、大阪、沖縄を挙げていた。
 
大規模リゾート型
BNPパリバの香港在勤アナリスト、DSキム氏は「アデルソン氏の通常の開発モデルは国際会議場やショッピングモールを含む大規模なリゾートを建設するというものだ」という。「彼は、富裕層がいて、訪問客が大量にやってきても支えられるインフラが整備されている大都市のみを考えるだろう」と述べた。
アデルソン氏は、投資は手元の資金で賄うことも可能だが、実際には負債を利用することになるだろうと述べた。ソフトバンク広報担当の小寺裕恵氏は、孫社長がサンズの提携先の例に挙がったことについて、現時点でのコメントを控えた。
 
投資銀行のユニオン・ゲーミング・グループは、日本でカジノが解禁されれば、約1兆円の市場規模になり、マカオに次いで世界2位の市場になる可能性があると試算している。マカオでの昨年の売り上げは452億ドルで、ラスベガスの7倍に上った。日本でのカジノ合法化を見越して、サンズの他にもこれまでにMGMリゾーツ・インターナショナル、香港のメルコ・クラウン・エンターテインメントなどが具体的な投資計画を明らかにしている。